市役所本庁舎 建て替え論点整理

1966年(昭和41)11月に竣工した現在の江別市役所本庁舎ですが、老朽化が進んでおり、耐震診断の結果、震度6強以上の地震によって倒壊のおそれがあると判定されています。

 

2013年(平成25年)にまとめられた「市役所庁舎及び収容避難所の耐震整備方針について」においては、市役所本庁舎は建て替えが経済的かつ効率的であり、市民会館との合築の検討の必要性が触れられていました。
2017年に(平成29年)に市役所内において建て替えに関する庁内検討会議が設置され、この度(2019年2月)、報告書があがってきました。

 

市役所建て替えは江別の大きな政策課題の1つですので、詳しく見ていきたいと思います。

 

■新庁舎の規模
現在の本庁舎、別館、第二別館、教育庁舎、錦町別館、環境事務所、土木事務所、水道庁舎を統合、職員人数670人とすると、総務省や国交省の基準などから延べ床面積は16300〜18300平方メートルと算出されます。
(現在の8つの庁舎・事務所の合計約12,000平方メートル)

新庁舎と合築をする市民会館は現在と同じ5800平方メートルと想定されています。

 

■建設場所
延べ床面積と現状の駐車場面積から計算される敷地面積は市役所で最大14000平方メートル、市民会館で7000平方メートルとなり、合計21000平方メートルです。

候補地は現在地と旧江別高校跡地が比較されており、旧江別高校跡地が優位とされています。

 

■事業手法
市が資金調達、設計・施工・維持管理を発注する従来方式、民間の資金とノウハウを利用するPFI方式、民間事業者とリース契約を結ぶリース方式などの手法があるが、国からの有利な地方債を借り入れられることを想定すると、従来方式が基本となると考えられています。

 

■事業費試算
従来方式で市が設計・施工を発注する場合、近年の他自治体の入札事例によると平米単価は約45万円となっており、新庁舎の建設工事費は延べ床面積により約73.4億円から約82.4億円程度と試算されています。

新庁舎と合築する市民会館はホール部分の平米単価が69万円となっており、約34.3億円と試算されています。

その他、解体工事費11.8億円、外構工事費2.2億円との試算です。

合計では、121.7億円から130.7億円と試算されます。

 

■財源(事業費合計130.7億で試算)
1.現在2020年度までに実施設計着手で利用可能な地方財政措置である市町村役場機能緊急保全事業が今後も延長され、市民会館との合築に集約化・複合化事業を利用できる場合。

新庁舎 25年償還で利子含めた総事業費は102.1億円、10パーセントの10.2億円は基金及び一般財源で賄い、90パーセントの92.9億円を起債可能、起債の23億円が交付税措置される。

市民会館 25年償還で利子含めた総事業費は44.1億円、一般財源4億円、起債40.1億円、起債の20.1億円が交付税措置される。

合計、基金と一般財源で14.2億円、起債が133億円(うち43.1億円は交付税措置)、起債償還額は毎年6.2億円から5億円。

 

2.従来の一般単独事業債を利用する場合。
新庁舎、基金と一般財源22.8億円、起債77.5億円(交付税措置なし)
市民会館、一般財源9.9億円、起債33.4億円(交付税措置なし)
合計、基金と一般財源32.7億円、起債110.9億円(交付税措置なし)、起債償還額は毎年5.2億円から4.2億円。

 

従来の一般単独事業債では建設当初必要な基金と一般財源が32.7億円となり非現実的です。
民間手法を取り入れずに建設する従来方式の場合、国の市町村役場機能緊急保全事業が今後も延長されることが必須です。
PFI方式やリース方式の場合は、民間事業者の提案内容によるため試算されてません。

 

■事業を進める場合のスケジュール
事業をスタートすることを決めてから、市民・専門家も交えて意見を聴取し基本構想を2年かけて策定、基本設計に2年、実施設計に1年、工事に2年から3年、合計7年から8年かかると想定されています。

 

■今後10年間の財政見通し
地方債残高は2019年度(平成31年度)の約391億円をピークに概ね横ばいで推移。公債費(地方債の償還額)は40億円程度で推移すると考えられています。
新庁舎建設の場合は、これに前述した起債額と起債償還額が上乗せされることになります。


実際に事業実施に踏み切れるのか否かはさておき、このような条件ならばこのような形で新庁舎が建設することができるという具体的な検討案が出てきたと言えます。
100億円規模の事業費はかなり大きなものですので、市役所建て替えについて市民サイドからも活発な意見が出てくることが期待されます。

 

 


市立病院経営問題 再び内科医不足へ

専門にとらわれすぎない総合内科医を育てる病院として病院再建のモデルとまで言われたこともあった江別市立病院ですが、2016年以降、看板であった総合内科医の退職が相次ぎ、再び内科医が不足する事態となっています。医師の不足に伴い患者数が減少し、2018年10月からは1病棟50床の休止を余儀なくされるなど経営状況も悪化しています。

 

現在に至るまでのここ数年の動きを見てみます。

尚、2018年から市議会の委員会議事録が公開されましたので、その議事録を参考にしています

 

2016年8月、それまで再建当初から市立病院の総合内科医の育成・研修の中心的な役割を担っていた指導医の医師が退職されました。業界内で有名であった指導医の退職は市立病院の総合内科を養成するプログラムの魅力を低下させる事態となりました。
結果として、2016年4月に23名いた総合内科医は、1年後の2017年4月に13名にまで大幅に減少してしまいます。2017年以降、市立病院の総合内科医養成プログラムに新たに参加する後期研修医がいなくなり、医師のマンパワーが大きく不足することになりました。

これまで市立病院の総合内科は大学の医局に頼らず独自に医師を招聘してきましたが、2016年以降、総合内科医の退職が続いており、2019年1月時点で総合内科医は6名となってしまいました。総合内科医を育てる病院としての魅力は指導医の魅力であったと言え、今後、これまでのように総合内科医を充足させることは非常に難しい状況です。


一方、大学医局からの内科専門医の派遣は病院再建の過程において常に課題としてあがっていました。再建の看板として総合内科を掲げていたものの、病院の規模と診療単価を考慮すると内科専門医は欠かせないと考えられていたからです。

市としては大学医局との関係を構築し、医局から医師の派遣を受けるため、2018年3月に退職される病院長の後任として内科系の医局からの院長招聘を模索しましたががかないませんでした。
そこで以前から消化器外科の医師の派遣を受けている外科系の医局出身の医師に院長に就任頂き、消化器外科と繋がりの深い消化器内科の医師の派遣に繋げようというのが現在の市の考え方です。
これまでのところ常勤医の派遣には至っておらず、市の思惑通り進むのか否かは予断を許さない状況です。


経営面をみますと、総合内科医の退職に伴い、市立病院の経営状態は悪化の一途をたどっています。累積赤字は100億円に達しようとしておりますが、病院運営上より大きな問題は手持ちの資金の不足を表している不良債務と一時借入金です。2016年度以降不良債務が再発生しており、2018年度末の不良債務額は10億4732万、銀行からの一時借入金は20億円に達し、2018年度末に急遽、市の一般会計から6億円の貸し出しを行い資金不足をしのごうとしています。

医師確保が期待通りに進まず、収益も計画通りに上がらない状態が続くと、不良債務と一時借入金が更に膨らむことになり、市の財政全体への影響も避けられないと考えられます。


その他の動きとしては、市民団体から市立病院の経営健全化についての陳情が2017年3月に市議会に提出されたことがあげられます。経営形態変更の具体的な検討を求める内容で採択はなされませんでしたが、この陳情を契機として2017年6月に市議会の中に市立病院・地域医療検討特別委員会が設置されることなりました。ここ最近は市立病院問題に関連して、市議会の委員会(特別委員会を含め)の場に市長の出席を要請し質疑を行うケースが増えており、病院問題がクローズアップされています。


一連の記事で過去からの市立病院の経緯を振り返ってきましたが、市立病院の経営問題は常に市政の課題として取り上げられてきた歴史がありました。一自治体による病院経営は鬼門と言わざるを得ないほどに苦労の連続です。仮に一時的に危機を乗り越えることができたとしても、歴史の教訓から学ぶべきことは多いのではないでしょうか。

 


江別市、3年連続転入超過

2018年総務省住民基本台帳人口移動報告によると昨年の江別市の転入超過数は、
年少人口(0〜14歳)転入超過数 全国12位
0〜4歳人口転入超過数 道内1位

となりました。

 

江別の統計データの中で最近明らかに好調なものがこの転入超過数です。
2016年259人、2017年237人、2018年567人と3年連続で転入超過となっています。
特に2018年は前年比330人のプラスとなっており大幅増を記録しています。
※ 尚、江別市全体の人口としては自然減も多く2018年は昨年比8人の人口減となっております。2019年は更なる転入増が見込まれ人口増も予想されています。


■5歳階級別の2014年からの転入超過数の推移のグラフ

※ クリックして拡大


グラフを見ると2018年は20代以外の全ての年代で転入超過となったことが分かります。
昨年と比較して大きなプラスとなった要因は、0〜4歳代、15-19歳代、30代が大幅増、20代の転出超過幅が大きく減少したことがあげられます。

ここ数年、子育て世代が転入しているのは、比較的規模の大きな宅地造成が行われていることが一番大きな要因です。加えて、2016年度からスタートした最大50万円が補助される市の住宅取得支援事業補助金も効果が大きいと考えられます。
これから建設される住宅も多く2019年と恐らく2020年もこの傾向は続くと予想されます。

※ 江別は大学が多く立地しているので10代後半と20代前半の転入転出数のふり幅が大きくなっています。なぜ、ここまで年によって大きな差が出るのか明確な理由は分かりません。


■過去3年の人口増の町名ベスト5
1位 緑ヶ丘 312人 野幌駅南口から徒歩15分程度という好立地に大規模に造成されましたので納得の1位です。

2位 新栄台 201人 駅からは距離がありますが、まだ空いている土地もありジワジワと売れているようです。

3位 大麻泉町 163人 大麻駅と野幌駅のちょうど中間にあたる場所ですが、40区画ほどが直ぐに売れました。

4位 文京台東町 156人 文京台地区は学生用マンション・アパートも多く、学生の影響を除くとどうなるのか判断が難しいです。

5位 若草町 151人 過去3年では売却用の宅地が多く残っていたようには見えませんでしたが5位に入っています。

今年と来年は比較的大きな宅地造成が行われている野幌若葉町、大麻栄町、大麻北町がトップ3占めるのはほぼ確実です。


■今後の課題は?
ここ数年の動きを見ていると利便性の高い地区でまとまった宅地が造成されれば、まだまだ江別にも転入してくる余地があるということが証明されたと言えます。市内には比較的立地の良い場所でも、まだそれほど有効に利用されていない土地もあり、ある程度長いスパンで供給過剰にならない範囲で住宅地が造成されるような形をつくることが望ましいと思われます。
また、まとまった宅地造成だけに頼るのではなく、空き家となった住宅をスムーズに流通させる取り組みが益々重要になってきていると言えます。

 


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