12/6と12/11に総務文教常任委員会に付託されていた議案について審議が行われました。
今回の審議の中で、特に、職員の給与に関する条例の改正について説明いたします(委員会採決では結果として全員一致で可決されました)。
今回の職員給与の改正は、国の人事院勧告を受けて、市職員の給与を、初任給を中心に若年層に限定して給料表を引き上げ(大卒初任給が172,200円となる)、子等に係る扶養手当の額を16500円に500円引き上げ、勤勉手当の支給月数を課長職以上を除き年間0.05ヶ月分引き上げる(期末勤勉手当の年間支給月数は4.5ヶ月となる)ものです。
給与の改正は平成19年4月に遡って実施されます。
給与改正に係る金額は約2800万円ですが、補正予算を組む規模ではありません。
尚、給料表がプラスの改定になるのは9年振りのことです。
公務員には労働基本権が制限されているため、代替措置として、第三者的な行政機関である人事院が勧告を行い、国家公務員の給与が決められています。
地方自治体においては、都道府県や政令市などは独自の人事委員会を持っておりますが、人事委員会を持たない一般市においては、国家公務員の給与を決める国の人事院勧告に準拠していることが多いです。
江別市においても、人事院勧告を尊重し国家公務員に準拠してきました。
私は、委員会の質疑の中で、北海道と全国の経済状況は異なるため、単に人事院勧告に準拠するのでは、地方公務員の給与は地域の民間の給与も考慮すべきという地方公務員法の趣旨から外れるのではないかと問い質しました。
行政側からは、人事院勧告のための調査には北海道東北地方の企業のデータも含まれており地域の民間の給与も考慮されている、国家公務員の地域給与の見直しに従い既に平成19年4月に全体の給料表の4.98%引き下げを行っている、人事委員会のない江別市では独自のデータがなく条件整備ができていない、管理職以上の勤勉手当引き上げを実施しない点は江別市独自の判断である等の回答を得ました。
北海道や札幌市の人事委員会の資料を参考にすれば良いではないかと質疑については、公表されている資料は概要であり詳細な資料は入手できず人事院勧告に準拠することが妥当との回答でした。
他の委員の質疑では、市内の企業の経済状況や昨年からの市立病院の経営状況を考慮すると市民に対する説明が難しいのではとの質問に対して、現時点では従来の給与の決め方を尊重し特に若手職員の努力や実績に報いたい、今後の市の財政見通しによっては市として人件費などの経費を含めた聖域無き削減を考慮する状況にあるとの回答がありました。
委員会の採決にあたっては私も大変悩みましたが、今後の給与改定にあたっては地域の民間給与をこれまで以上に考慮するよう目に見える努力を行うことを要望するとともに、次の点を考慮し今回は賛成することにしました。
1.給料表の改正は、初任給を中心に若手職員に限定したものであり、確かに市職員の初任給は北海道の民間平均、札幌市の民間平均と比較しても低いこと。
2.勤勉手当の改正は、課長職以上の管理職を除いている点が人事院勧告から外れており、江別市の事情に配慮したと考えられること。
3.本条例案は労使交渉の結果として提出されており、今すぐに地域の民間の給与の状況を考慮する条件整備ができていないこと。
4.今後の決算、特に企業会計を含めた決算が出た後の市の財政見通しによっては、市として人件費などの経費を含めた聖域無き削減を考慮する状況にあること。
今回は全員一致で可決となりましたが、少なからずの議員が、国の人事院勧告準拠ではおかしいとの認識を持っており、行政側にとって大きな課題と認識されたと考えています。
尚、その他、以下の議案が委員会で採決されております。
指定管理者の指定(旧町村農場) 賛成多数
江別市職員の育児休業等に関する条例の改正 全員一致