7/24に書きました通り今回の補正予算は約9億円という大きな規模でした。ですが、手持ちのお金は1000万円しか使っていなく、大部分が国の補助金を使って事業を行います。
今回の補正予算に限った話ではないのですが、国の補助金の仕組みというのはなかなか巧妙にできています。
補正予算には、3番通りの道路工事が含まれています。3番通りを5丁目から白樺通りまで舗装改修するものです。3番通りよりも生活道路のデコボコの方がひどいですし、他に優先順位が高いものがいくらでもあるような気もしますが、残念ながらこの事業を止めたからと言って事業費の1億800万円が浮くという仕組みにはなっていません。
国の今回の補正予算では市道の幹線道路の工事に1/2の国庫補助がつきましたので、半額はこれで国から出ます。残りの半分も予算書上は市債を発行することで対応していますが、実際は国からの地方活性化・公共投資臨時交付金でかなりの程度が賄われる見込みです。
結局、自治体側としてはいずれはやらなくてはいけないであろう工事を国からの補助率が大きいなど有利な条件の時に行うという行動を取ることになります。
同じく、小中学校への地デジ導入が含まれています。地デジも大事ですが、時間数的にはそんなにテレビは使わないわけですし、アナログ停波直前になったらテレビももっと安くなるだろうから、何も今やらなくても良いのではないかと思いますが。
これも、スクールニューディールの一環として国からの補助率が1/2となっており、国からの交付金もくる今回のタイミングでやってしまおうということになります。
このように自治体としては、国や道の補助金に沿って事業を行う方が、持ち出しの財源が少なくなるというメリットが生まれます。自治体側でちょうど必要とする事業に補助がくれば良いのですが、常にそうだとは限らないことが問題です。
例えば、仮に以下のような1000万円掛かるA,B,C3つの事業があった場合、
A事業 優先度高、全て市の財源
B事業 優先度中、国庫補助1/2、残り3/4を市債発行許可
C事業 優先度低、国庫補助1/2、残り3/4を市債発行許可、市債の後年度負担を交付税措置
A事業を1000万かけて行うよりも、手持ちのお金が250万円でできるB,C2つの事業を実施しようという行動を取ることになるわけです。
B,Cの次には、新たな国庫補助のあるD,Eといった事業が出され、結局いつまでたってもAは実施されないということもあり得ます。
全国一律の国の補助金のメニューが必ずしも各自治体の実態に合っているわけではないので、やはり各自治体の現場で判断できるような仕組みの方が良いと言えます。
しかし、仮に国庫補助分が全て自治体に財源として下りてきたとしても、あっと言う間に使い果たし、現状と同じように財政が逼迫し新たな事業を行うのが難しくなるということも十分に考えられます。