今回の一般質問では市立病院のこれまでの再建の取り組みについて、集団食中毒への対応について質問しました。
1. 市立病院のこれまでの再建の取り組みについて
岡「H23年度の病院決算ではH8年度以来15年ぶりの黒字決算となった。医師数・診療収益も経営危機以前に戻りつつある。これまでの取り組みを振り返って市長としてどのような点がポイントだと考えているか?」
市長「H18年に経営状態が悪化した際は、市民に大変な不自由をかけた。しかし、経営健全化計画を理解いただき、経営回復を信じ、利用いただいたことが年々回復している患者数に表れていると考えている。
病院再建にあたっては、医師の確保、医療機器への投資など、目先の収入がないにも関わらず先行して投資を行わなければいけないことがあった。収入があがるまで何年我慢頂けるか非常に苦しい状況であったが、この部分について市民の理解を得られたことが大きかったと考えている。
単年度黒字を計上できる状況となったが、経営再建への取り組みはまさにスタートを切ったばかりと認識しており、今後も一歩ずつ経営環境の充実に取り組んでいく必要がある。」
岡「医師を引き付ける魅力ある病院づくり、病院機能など医療に対する市民の理解も大きなポイントと考えるが、病院長はこの点どのように考えているか?」
病院長「H16年から実施されている医師臨床研修制度のもとでは、大学医局に所属する医師数が減少しており、大学医局から各医療機関へ派遣される医師も減少している。今後、ますます自ら医療機関を選択する医師が増えてくる状況のもとでは、医師にとって特色ある病院を目指す必要がある。
市立病院はH22年に高齢者等に見られる複数の疾患を抱える慢性期の患者を総合的に診察できる総合内科医を育成する数少ない研修拠点として道より指定を受け、研修医の臨床研修機関として機能し始めるとともに、キャリアのある医師が総合内科医として勤務する例が出てきている。将来的には当院を巣立った総合内科医が全道で活躍するといった研修拠点として教育・研修システムを充実・強化し、総合内科医を目指す医師が集まってくるマグネットの役割を果たしていきたいと考えている。
医師不足をはじめとする医療環境の悪化の中で、市立病院が本来の役割である急性疾患の治療を行う急性期病院としての役割を果たしていくため、患者の理解が欠かせない。緊急性が低い軽症患者の救急外来受診や、慢性疾患での長期入院は市立病院の役割としては難しいことについて理解を得ていくことが必要である。セミナーや講演会など上手に医療機関を活用いただくような啓蒙・広報活動を今後も継続して充実させていきたい。
岡「これからの病院経営を考えると、専門性をもった事務職員の育成が欠かせないと考えるがいかがか?」
病院長「市立病院の一般行政職による事務部門については市役所他部門とのローテーションで配置されている。事務部門は病院で必要とされる知識や、医療現場での経験が要求される場合も多く、さらに、病院経営の視点が必要であるという特殊性がある。今後、病院の事務部門を充実されるため、これらの特殊性を身につくた病院の専門家としての採用を検討するほか、病院経営の専門家としての役割を果たせるような人材の育成に努めていきたい。」
2. 集団食中毒への対応について
岡「8月に発生したO157による集団食中毒の状況把握は?」
市長「今回のO157集団食中毒について、8/10に保健所から第一報を受けた時点では原因食品は判明していなかったが、市として高齢者や乳幼児の施設に注意喚起の周知を行い、原因となり得る食材の給食等での提供状況の確認を行った。8/14に原因食品が特定された後は、道の指示のもと一元的に対応してきた。9/7現在、江別保健所管内での患者が25名となっており、高齢者関連施設の3名が亡くなれている。
市内の漬物製造施設は11施設あり、8/20から8/30に道の立入検査が行われ、大きな不備はないとのことである。また、風評による被害額は明らかにされていないが、8/27から9/8にかけて15%程度の出荷調整を余儀なくされたとの情報をJA道央より受けている。」
岡「今後このような事態が発生した際に、市として関連情報の取りまとめと発信を積極的に行っても良いのではないか?」
健康福祉部長「食中毒については都道府県や保健所設置市において原因究明・調査等を所管しており、消費者等への情報の公表についても法令に基づき一元的に実施している。情報の公表については個人情報の保護に留意して公表されるため、市内に限定した情報は発表されていない。
市としては、原因が特定されるまでは市民や関係施設への注意喚起や予防啓発を速やかに行い、原因食品が判明した後は、道の指示のもと健康被害拡大防止のため取り組むこととなっている。」
岡「生産者向けの対応の必要性についての考えは?」
経済部長「道内全体に関わる問題であるので、JA道央と連携し状況把握に努め、道への販売促進対策の働きかけや、生産者への情報提供を行ってきた。道ではホクレン等と連携したキャンペーンを実施している。今後もこのような被害が発生した場合は、関係機関と連携を図りながら、消費者や生産者に向けた市全体の対策を行わなければならないと考えている。」