平成23年度の一般会計及び各特別会計の決算審査が、10/22〜10/30にかけて決算特別委員会で行われました。
○一般会計決算の概要(数値は1000万円の位を四捨五入、()内は前年度比)
・歳入決算額394億円(10.3%減)、歳出決算額387億円(10.7%減)となりました。
過去2年は国の経済対策や土地開発公社の解散により400億円を超える歳出決算額となっていましたが、H23年度は、歳出決算額が3年ぶりに380億円台となりました。
・歳入については、市の独自財源である市税と地方交付税についてみると、市税収入123億円(0.6%増)、地方交付税額106億円(2.3%増)となりました。
また、公債費は昨年度の特殊要因である土地開発公社解散に伴う第3セクター債の発行がなくなったため、26億円(56%減)と大きく減少しています。
・歳出については、義務的経費(人件費、社会保障に関する費用、公債費)205億円(2.5%増)、投資的経費(顔づくり、学校耐震改修など)27億円(46%減)となりました。
平成22年度決算と比較すると、土地開発公社公有地取得の費用がなくなったため大きく減となっております。
・公債費(借金)については、国から入る地方交付税の不足を賄う臨時財政対策債の減少などにより27億円(56減)となりました。
・市の財政を表す代表的な指標は以下の通りです。
財政力指数 0.514(0.015減)
経常収支比率 91.6%(3.6ポイント減)
実質公債費比率 11.6%(0.3ポイント減)
将来負担比率 41.9%(7.6ポイント減)
・平成22年度に引き続き、平成23年度も単年度でみた収支は5485万円の黒字となりましたが、黒字額は減少傾向にあります。貯金である財政調整基金は29億9818万円となり、平成19年度以来4年ぶりに1890万円の取り崩しになっています。
○主なトピック
・除排雪
昨年度も除排雪の追加予算が組まれることになり、除排雪費は過去最高の一昨年度に迫る9億8045円となりました。累積降雪量(588cm)は過去30年平均に近いものでしたが、気温が低かったため排雪量が当初見積もりを増えた結果となりました。以前に比べると自治会排雪が進んできているので、積雪量が多いと排雪の費用が増える傾向が見受けられます。
・顔づくり事業
野幌駅周辺の再開発事業ですが、H23年度末までの土地区画整理事業の進捗率が事業費ベース22.7%(全体事業費80億円、計画対比20ポイントの遅れ)、物件移転数ベースで27%(全体物件移転数92棟、計画対比10ポイントの遅れ)となりました。地権者・物件所有者との協議に時間がかかっており、年々遅れていましたが、H23年度は物件移転の進捗がこれまでに比べると進んだ結果になっています。
・プレミアム建設券
リフォームまたは新築の際に10%の補助がつくプレミアム建設券ですが、リフォームで588件、新築で23件の利用があり、市と商工会議所の補助額4313万円に対して総工事費は10億1114万円となりました。
建設業に対して10億1100万円の需要があった場合、江別の産業連関表による経済波及効果は直接効果8億4400万円、1次波及効果3億1600万円、2次波及効果1億4700万円、合計13億700万円であり、生産誘発率は129%と計算されています。
・保育園
厚生労働省の統計による春先の待機児童は0人となっていますが、一時保育や他のサービスを利用しながら特定の保育園に空きが出るのをまっている児童は秋口になると30名近くになっています。来年の4月にみどり保育園が改築され定員が30名増加する予定となっています。
野幌地区で病児・病後児保育を行って頂いている、あずま子ども家庭クリニックへH23年度から補助が行われていますが、延べ利用者は1208人と当初見込みより大幅に増加しています。
・生活保護
H23年度3月現在の生活保護世帯は1130世帯、1629人となっており、昨年度と比較し33世帯の増加ですが、人数では3人の減少となっています。ここ3年を見ると、年々、生活保護世帯の転出が増えている傾向があります(H23年度は42世帯)。
・介護保険施設の待機者数
H23年度3月現在の介護保険施設の待機者数は重複を含みますが、介護老人福祉施設(老人ホーム、市内4ヵ所)定員330人、待機者814人、介護老人保健施設(老健、市内3ヵ所)定員300人、待機者112人、軽費老人ホーム(ケアハウス、市内2ヵ所)定員100人、待機者36人、グループホーム(市内16ヵ所)定員279人、待機者80人となっています。尚、H24年度には定員100名の老健が1ヵ所オープンしています。
・指定ゴミ袋の無料交付
H22年度後半からスタートした子育て世帯向けの指定ごみ袋の無料交付ですが、H23年度は交付件数1986券、交付枚数158520枚となっています。2歳未満の乳幼児のいる家庭に交付されています。
・不登校
病気などを除く理由で年間30日以上欠席の児童生徒数はH23年度は78人と昨年度と変わらない状況です。この人数は中学生の1.98%にあたります。H23年度からはスクールソーシャルワーカー2名を配置し、学校側が保護者と会えないケースなど18件の対応を行っています。
・いじめ調査
H23年度の小中学校におけるいじめの発生件数は小学校38件、中学校62件、合計100件となっています。H22年度と比較すると20件の減少ですが、件数が少なければ良いと考えているわけではなく、深刻化する前の対応が重要であると認識されているとのことです。
・市税の収納率
納付されるべき税金のうち、実際に納付された割合を収納率と言いますが、H23年度は93.8%となり、H19年度以降、毎年収納率が上がってきています。市税滞納による差し押さえ件数も大きく増えている状況です。
・臨時職員、非常勤職員数
臨時職員と非常勤職員はH22年度より10人増え279人となっています。江別市は人口や産業構成が同規模の市の中でも、人口当たりの職員数が少なくなっていますが、不足している分を臨時職員と非常勤職員が担っていると言えます。
※ 決算特別委員会での審査を受けての本会議での議決は12月議会の初日に行われます。