平成24年度の一般会計及び各特別会計の決算審査が、10/21〜10/29にかけて決算特別委員会で行われました。
○一般会計決算の概要(数値は1000万円の位を四捨五入、()内は前年度比)
・歳入決算額397億円(0.7%増)、歳出決算額392億円(1.1%増)となりました。
H23年度からは横ばい歳出決算額となっています。尚、3月の補正予算により国の経済対策があったため予算総額は419億円となっていましたが、このうち18億円分はH25年度分に繰り越されましたので、H24年度決算には含まれてきません。この辺はちょっと分かりにくいです。
・歳入については、市の独自財源である市税と地方交付税についてみると、市税収入120億円(2.4%減)、地方交付税額108億円(1.8%増)となりました。3年に1度の固定資産税の評価替えにより市税収入が減っています。
また、市債発行額は新栄団地建て替え事業などにより31億円(17%増)となっています。
・歳出については、義務的経費(人件費、社会保障に関する費用、公債費)204億円(0.6%減)、投資的経費(顔づくり、学校耐震改修、新栄団地など)34億円(27.3%増)となりました。
・公債費(借金)残高については、356億円(3.3%減)となりました。
・市の財政を表す代表的な指標は以下の通りです。
財政力指数 0.502(0.012減)
経常収支比率 94.1%(2.5ポイント増)
実質公債費比率 11.7%(0.1ポイント増)
将来負担比率 37.6%(4.3ポイント減)
・平成24年度の単年度でみた実質的な収支は1億2149万円の赤字となりました。赤字は平成19年度以来です。黒字額は減少傾向にあります。貯金である財政調整基金は28億9207万円となり、2年連続の取り崩しになっています。
○主なトピック
・除排雪
3シーズン連続となる大雪でH24年度も除排雪の追加予算が組まれることになり、除排雪費は昨年度とほぼ同額の9億7585万円となりました。累積降雪量(663cm)は過去30年でトップ10に入り、最大降雪量(167cm)は過去最大を記録したため幹線排雪量は過去最大となりました。一方、自治会排雪は時期的な差もありH23年度よりも排雪量は減りました。
・顔づくり事業
野幌駅周辺の再開発事業ですが、H24年度末までの土地区画整理事業の進捗率が事業費ベース33.8%(全体事業費80億円)、物件移転数ベースで42%(全体物件移転数92棟、計画対比4ポイントの遅れ)となりました。地権者・物件所有者との協議に時間がかかっており、年々遅れていましたが、H24年度は駅南側の物件移転が進み、進捗率があがっています。
・住宅用太陽光発電
市内の住宅用太陽光発電の導入状況がH24年末で333件、1406kW分であることが分かりました。道内での一戸建て住宅における住宅用太陽光発電の普及率は1%程度と考えられており、江別市における普及率も道内の数字と近いものと考えられます。
・保育園
厚生労働省の基準による待機児童は4月は0人、10月になると13人となっていますが、一時保育や他のサービスを利用しながら特定の保育園に空きが出るのをまっているなどとする児童は12月で55人となっています。平成27年度から子ども・子育て支援新制度がスタートすることになり、待機児童解消に向けて更なる取り組みが求められます。
・生活保護
H24年度3月現在の生活保護世帯は1158世帯、1640人となっています。全世帯に占める割合は13.5パーミル(1.35パーセント)です。世帯の内訳は、高齢世帯47.8%、母子世帯9.1%、障がい世帯9.6%、傷病世帯17.8%、その他世帯15.7%です。その他世帯が昨年度比6.5ポイント増と大幅に増えていますが、これは傷病世帯の一部がその他世帯に分類されることとなったためです。
・就学援助
経済的理由により小中学校における学用品や給食費などの負担が困難な家庭に就学援助が行われております。H22年度2419人(23.5%)、H23年度2416人(24.1%)、H24年度2398人(24.7%)となっており実数は減っていますが、全児童生徒数に占める割合は年々増えており、4人に1人の状況になっています。
・スクールソーシャルワーカー
家庭環境が厳しい児童生徒が増えていることなどもあり、困難を抱える子どもを社会福祉的観点からサポートするための人材であるスクールソーシャルワーカーがH23年度から2名が配置されています。学校現場側がスクールソーシャルワーカー(SSW)という職になじみがないこともあり、この2年間は学校・教師に活動内容を知ってもらう段階でしたが、今後徐々に相談件数が増えていくものと考えられます。
・市税の収納率
納付されるべき税金のうち、実際に納付された割合を収納率と言いますが、H24年度は94.6%となり、H19年度以降、毎年収納率が上がっています。
・臨時職員、非常勤職員数
H24年度4月現在の臨時職員と非常勤職員は296人となっておりH23年度と同数です。医療職を除く市の職員数は802人となっており、ここ数年再任用の数が増えています。
※ 決算特別委員会での審査を受けての本会議での議決は12月議会の初日に行われます。