9/17〜9/20に決算特別委員会が開かれ、市立病院について部局への質疑・理事者質疑(市長への質疑)・結審が行われました。
〇決算概要
入院患者数一日平均 159人(36人減)
外来患者数一日平均 611人(63人減)
一般病床利用率 63.1%(7ポイント減)
赤字額 11億4134万円(4.5億円増加)
累積赤字額 101億1024万円(11.4億円増加)
不良債務残高 14億1659万円(3.8億円増加)
一般会計繰入金 13億8600万円(879万円減少)
一般会計長期貸付金 6億円(皆増)
※ ()内は前年度増減比
※ H30年度の一般病床利用率は休床分を除く
H30年度は前年度より内科医師が4名少ない体制でスタートし、年度途中に更に3名退職したことから、収支のバランスが大きく悪化しました。年度末には運転資金が不足することとなり、一般会計から急遽6億円を借り入れることで対応しました。
内科医が一斉退職したH18年度以来の過去2番目に大きい赤字額となり、経営状況は極めて厳しいものとなりました。
決算特別委員会での部局への主な質疑の内容は次の通りです。
〇医師確保の取り組み
院長を中心に北大や札幌医大にお願いを続けたほか、民間病院への依頼や人材派遣会社への登録を行った。一部の外来については医師派遣を受けることができた。
医局との関係において医師派遣を受けたいと考えているが、派遣は難しいと聞いている。
〇予算のあり方
当初予算から10億円以上赤字額が増えるなど予算との乖離が大きい点については、当初から目標予算として立てているところがあり、また、想定外の年度途中での医師の退職などがあったが、今後ついてはより現実的な予算のあり方を検討したい。
〇看護部門職員数
同規模の公立病院と比較して看護部門職員数が多いことは承知しているが、育休が増えている、フルタイム働けない職員も多くその分職員を増やしているなどの理由から過剰ではないとの認識である。
〇一般会計からの長期借入金
年度末に6億円を借り入れなければ資金不足比率が20%を超え経営健全化団体となっていた。
また6億円を借り入れなければ資金ショートしていた。
経営健全化団体になった場合、経営健全化計画の策定などを行う必要があり、現実的なスケジュール感として対応が難しかった。
6億円返済に対する具体的な事業計画は現段階でもっていない。
〇救急患者受け入れ
内科医師の不足により、前年度からおよそ半数の受け入れ数となっており、救急医療という市立病院の役割を十分に果たせない状態となっている。
〇検討委員会の設置
予算特別委員会等で検討委員会の設置の意見等はあったが、H31年1月のシンポジウム、H31年3月の議会からの市立病院・地域医療検討特別委員会からの報告を受けて、R1年8月に「江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会」を設置したものであり、設置の判断が遅れたとは考えていない。
理事者への主な質疑の内容は次の通りです。
〇現状認識
一般会計からの繰入金と収益で運営するという公営企業の原則に一致しておらず、全体としてH18年の状況に戻ってしまったという点は認識している。
H28年から続いている総合内科医の退職の見極めが出来なかった点が反省点である。
R1年度の資金繰りについては12月に示せるよう準備したい。
〇抜本的な改革
監査委員からも指摘されている抜本的な取り組みへの対応については、「江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会」の答申を待ち、長期的に安定を確立したい。公立病院の性格上、1〜2年の短期では体制を変えられない。
〇経営責任の取り方
いかに経営改善を図るかに尽きると考えている。
市民への謝罪については今後検討したい、また、自らの給与削減については総合的に判断したい。
以上の質疑を行い、委員会として討論・結審を行いました。
討論では、認定の委員から、医師の確保は容易ではなく大元には国の政策の問題がある、あり方委員会の検討状況を見守るべき、職員の体制変更は現場と協議が必要、抜本的な取り組みが必要であり、あり方委員会の答申を着実に実施していくことを求める、病床の廃止は将来に影響がある、財政面だけではなく多方面から議論が必要などの意見が出されました。
不認定の委員からは、市長が経営責任を取る姿勢を示しておらず経営改善の取り組みを行っていない、、6億円の借り入れに返済の目途が立っていない、公営企業の原則を外れている、監査委員の意見を重く受け止め対応すべきなどの意見が出されました。
委員会の採決では4:3で認定となりました。
尚、9/25の本会議では13:10で認定となりました。
岡は委員会では不認定の討論を行い、本会議では所属する会派「えべつ黎明の会」として不認定の立場を取りました。