江別市、3年連続転入超過

2018年総務省住民基本台帳人口移動報告によると昨年の江別市の転入超過数は、
年少人口(0〜14歳)転入超過数 全国12位
0〜4歳人口転入超過数 道内1位

となりました。

 

江別の統計データの中で最近明らかに好調なものがこの転入超過数です。
2016年259人、2017年237人、2018年567人と3年連続で転入超過となっています。
特に2018年は前年比330人のプラスとなっており大幅増を記録しています。
※ 尚、江別市全体の人口としては自然減も多く2018年は昨年比8人の人口減となっております。2019年は更なる転入増が見込まれ人口増も予想されています。


■5歳階級別の2014年からの転入超過数の推移のグラフ

※ クリックして拡大


グラフを見ると2018年は20代以外の全ての年代で転入超過となったことが分かります。
昨年と比較して大きなプラスとなった要因は、0〜4歳代、15-19歳代、30代が大幅増、20代の転出超過幅が大きく減少したことがあげられます。

ここ数年、子育て世代が転入しているのは、比較的規模の大きな宅地造成が行われていることが一番大きな要因です。加えて、2016年度からスタートした最大50万円が補助される市の住宅取得支援事業補助金も効果が大きいと考えられます。
これから建設される住宅も多く2019年と恐らく2020年もこの傾向は続くと予想されます。

※ 江別は大学が多く立地しているので10代後半と20代前半の転入転出数のふり幅が大きくなっています。なぜ、ここまで年によって大きな差が出るのか明確な理由は分かりません。


■過去3年の人口増の町名ベスト5
1位 緑ヶ丘 312人 野幌駅南口から徒歩15分程度という好立地に大規模に造成されましたので納得の1位です。

2位 新栄台 201人 駅からは距離がありますが、まだ空いている土地もありジワジワと売れているようです。

3位 大麻泉町 163人 大麻駅と野幌駅のちょうど中間にあたる場所ですが、40区画ほどが直ぐに売れました。

4位 文京台東町 156人 文京台地区は学生用マンション・アパートも多く、学生の影響を除くとどうなるのか判断が難しいです。

5位 若草町 151人 過去3年では売却用の宅地が多く残っていたようには見えませんでしたが5位に入っています。

今年と来年は比較的大きな宅地造成が行われている野幌若葉町、大麻栄町、大麻北町がトップ3占めるのはほぼ確実です。


■今後の課題は?
ここ数年の動きを見ていると利便性の高い地区でまとまった宅地が造成されれば、まだまだ江別にも転入してくる余地があるということが証明されたと言えます。市内には比較的立地の良い場所でも、まだそれほど有効に利用されていない土地もあり、ある程度長いスパンで供給過剰にならない範囲で住宅地が造成されるような形をつくることが望ましいと思われます。
また、まとまった宅地造成だけに頼るのではなく、空き家となった住宅をスムーズに流通させる取り組みが益々重要になってきていると言えます。

 


市立病院経営問題 総合内科医を育てる病院へ

2006年9月末に内科医がゼロになった市立病院、再建の道はどこにあるのか。
その後の取り組みを振り返ります。

今回も、参考とする資料は、市議会議事録に加え、前院長である梶井直文氏の書かれた『医療再生はこの病院・地域に学べ! 第四章 内科医ゼロから再生までの軌跡』洋泉社などです。

 

小児科医であり院長代行を務めていた梶井氏が院長に就任したのが2006年11月、内科医を確保するために各地を奔走する中、僻地医療を担うことを理念としている自治医科大学出身の医師から協力を得られることとなります。

 

関連病院からの医師派遣に始まり、2007年度からは阿部前副院長を始め複数名の自治医科大学出身の医師が市立病院に勤務することとなり、専門にとらわれ過ぎない診療に目を向けていくことになります。
2007年11月には札幌医大の地域医療総合医学講座との繋がりもできるようになり、総合診療の研修を行う関連病院にもなりました。

 

このような取り組みの中で、大病院とは言えない地域の中核病院では、専門医を集めるよりも総合内科医を多く集めた方がより多くの力を発揮でき幅広い診療ができるのではないかと考えるようになり、総合内科が病院再建の柱となっていきます。

 

2008年4月には総合内科を新たに診療科として標ぼうし、医師も更に確保、閉鎖していた2つの病棟が再開されました。その後、毎年のように医師は増え続けます。特に、地域医療に関心のある初期研修医や総合内科を目指す医師が集まるようになり、2011年頃には内科医退職以前の医師数を上回りました。また、2012年には栗山などへ医師を派遣するようになり、道内各地から医師派遣の要請を受けるなど、道内で一自治体病院以上の役割を発揮していくようになります。
総合内科医を中心として医師確保に成功、2013年度には経常利益を出すことができ、病院再建のモデルとして知られるようになったのでした。


このように医師確保の点では大きな成功例と言われる結果を出していましたが、市民サイドからの市立病院への理解と評価は必ずしも全てが順調とは言えない面もありました。
先ずは、世間の専門医志向が強くなる中、総合内科という診療科への理解がなかなか深まりませんでした。また、若い研修医が多く、医師の研修にも力を入れていたため、市民からみると若い医師の経験不足や医師が数年で変わることを心配する声もありました。更に、手軽に外来で見てもらいたいという希望も多く、急性期病院としての機能がなかなか市民に理解されないということもありました。
結果として、患者数の回復は想定通りには進まず、医師数から期待される病床利用率にはなかなか届かないということになっていました。


一方、経営面では常に苦しい状態が続いていました。不良債務を減らすため計画上はかなり無理と思える数字を作らざるを得ず、常に計画よりは実績が下回る収益状況となっていました。また、医師が増え収益が伸びてもその分費用も伸びるため、収支の均衡は常に難しい状況でありました。
更に、市の一般会計からの繰入金は約14億円まで増えていくことになり、基準外の繰入は決して多額な訳ではありませんでしたが、それでも病院の赤字と繰入金を問題視する声は少なからず出ておりました。


再建の取り組みは以上のような状況でしたが、民間で不採算になる医療を市としてしっかり守っていくという方向性は一定の理解を得ており、2006年以降常に市政上の大きな課題であった病院問題は2015年頃には比較的落ち着いていたものになっていました。
経営再建のモデルとまで言われた市立病院が、その後、わずか数年でまた内科医不足に陥ると予想していた人はほとんどいなかったと思われますが、危機は再燃することになります。

 

つづく

 


江別市立病院シンポジウムメモ2019年1月21日

2019年(平成31年)1月21日に江別市立病院のシンポジウムが開かれ参加してきましたので内容を簡単にメモしておきます。

あくまで岡のメモした内容と記憶に基づくもので、発言者の発言の内容が一字一句正確な訳ではない点はご理解ください。

 

「江別市立病院シンポジウム」

〜今後の江別市の地域医療を守るために市立病院は何をしていくか〜

出席者

江別市立病院経営健全化評価委員長 西澤寛俊氏、同委員 樋口春美氏

江別市立病院院長 富山光広氏、三好市長

 

※ 江別市立病院経営健全化評価委員会は2008年に設置された市立病院の経営状況についてアドバイスを行う機関です。年に2から3回開催されています。

 

1. 市立病院の現状報告

司会の病院事務長より配布資料に基づいての説明。市の年齢別人口割合の推移と将来予測、市内医療機関の診療科目、市立病院医師数の状況、現在の診療収益の状況、病院事業収益と費用・経常収支比率の推移などについて説明がありました。

 

2. 出席者からの意見

富山院長:地域医療を守るために市民からどのような意見・要望があるのかを伺い、それを実現するために市立病院が何をすればよいかを考えていきたい。市内医療機関との役割分担も考えていかなくてはいけない。2040年に高齢人口がピークを迎えたときに、札幌の医療機関が急性期の患者の全てを受け入れられない状況となるのではないかと危惧している。

 

西澤委員長:医師の働き方改革が求められる時代になっており、より多くの医師配置が必要となるが、地方ではますます医師不足が進むと考えられる。救急・小児・周産期医療が公立病院に求められるが、医師確保は更に大変になっていく。

 

樋口委員:これからの時代には地域で活動する看護師の大幅増が必要である。市立病院は病院と在宅をつなぐ看護に行うべく努力している。

 

三好市長:市立病院は不採算医療に関わる対応が必要である。市の支援と経営安定のどちらも重要である。2040年の医療需要を見据え、市立病院がどのような体制をつくるかが大事である。

 

3.質疑応答

Q1:現在の赤字続きの経営状況についての評価委員の意見は?

西澤委員長:公立病院は無理に黒字である必要はない。今後の医療需要にどう対応するか、公立病院として市民の健康をどう守っていくかの視点が大事である。赤字額の数字だけではないことを理解して欲しい。

 

Q2:これまで策定した改革プラン中の計画や評価委員会からの提言を実施していないのでは?

三好市長:先ずは医師確保を最優先に実行してきた。改革プランにあった経営形態見直しについても検討しているが、負債の整理が必要など慎重な対応が必要で今現在では難しく、結論には至っていない。

西澤委員長:医師確保は常に課題だが原因は市立病院ではない。確かに全て上手くいっているわけではないが、一部やっている部分はあり、職員は努力している。

 

Q3:国保のレセプト分析を行い市民がどの医療機関に通っているなどの調査を行ったらどうか?

三好市長:データの分析が必要との意見はその通りであり、どういう形でできるか調べる。

 

Q4:診療科別収支の資料がなぜ公開されないのか?

富山院長:不採算を担っている公立病院の意味を考えると公開することに危惧を感じている。収支だけを見られると地域医療はもたない。医師のモチベーションにも影響する。

 

Q5:市立病院のあり方について今後も市民の声を聴く体制づくりは?

三好市長:今回のような場を設けて良かったという声を聴いているので、どのような形でできるか検討していきたい。

 

その他意見

・医師確保が難しいと言われても一般市民は分からない。今の経営状況だと市立病院を残すか残さないかの判断も必要。

・赤字経営の先送りをしていると問題が大きくなるだけである。夕張の財政破綻の教訓を活かすべき。

・人事のために医師が辞めているという噂がある。院内内部の噂のことは分からないが、なぜ医師が辞めるのかを重点に考えてほしい。地域医療を守る前に市立病院を守る必要がある。現場の医師にプライドを持ってもらい、魅力ある病院になって欲しい。

・地元の開業医だが、市立病院への不信感を持つような事例があった。市民が赤字を納得していないのも市立病院への信頼が不足しているからである。現場の医師の努力不足を感じる。

・札幌の看護師だが、市立病院は当別や南空知からの患者も受け入れている。江別で救急を受けられる体制を残して欲しい。

 

4. 出席者まとめコメント

院長:内科医師以外は充実してきている部分があるが、内科医師の確保にこれからも努めていく。

三好市長:様々なご意見を頂いたので、どのような形で今後進めていくべきか検討していきたい。

 

 

感想:

このような市民に対する説明会は質疑応答で紛糾するケースも多いですが、厳しい意見は出ていたものの、声を荒げるような場面は少なく、比較的、冷静に議論が出来ていたように感じました(当たり前ですがどのような場面でも相手を尊重して議論することが大事です)。

不採算の地域医療を守る、将来の医療需要に備えるということで直近の経営状態ではない部分の議論をしたい出席者側と、目の前の経営問題をどうするのかということを議論したい多くの参加者側とで若干意識のズレがありました。

専門医を充実させる総合病院としても上手くいかず、総合内科医を育てる病院としても先行きが不透明な現在の状況で、市立病院の特色として今後どのような形を打ち出すのか、また、現状の状態が続いた場合どこまで市の財政上耐えられるか、医師確保が上手くいかない場合の代替プランなどについて聞きたかったところではありますが、そこまでの議論にはなりませんでした。

また、累積赤字の金額が注目されがちですが、公立病院の場合、経営上より重要なのは不良債務の金額である点を議論の前提として理解いただく必要があります(累積赤字は自己資本金と相殺できるが、不良債務は手持ちの現金の不足なので)。

 


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